2.6 突合せ、角回し溶接継手(軸力)上の塗装の影響
突合せ溶接継手、角回し溶接継手とも本実験のような比較的応力が高い領域では、塗膜の影響は明確に現れないことが示された(図2.6−1)。塗膜の効果が現れない理由は、高応力域では機械的な荷重の繰返しにより、塗膜下の応力集中部でき裂が発生し、その後塗膜が破断して腐食の影響が及ぶためと考えられる。

図2.6−1 突合せ溶接継手塗装材の腐食疲労に及ぼす塗膜厚の影響(軸力)
2.7 突合せ、角回し溶接継手(曲げ)上の塗装の影響
突合せおよび角回し溶接継手試験片における曲げ試験でも塗膜の効果が明らかになり、塗膜厚の効果は長寿命域で現れることが示された。全体に曲げの方が軸引張より疲労強度は高いが、塗膜が厚く曲げにより塗膜が割れる高応力の場合に、疲労強度が低下することも示された。

図2.7−1 突合せ溶接継手塗装材の腐食疲労に及ぼす塗膜厚の影響(曲げ)
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